独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、2025年度の在日留学生数は408,069人に達し、前年から7万人以上増加した。中国からの留学生は約13万1千人と引き続き最大の送出国であり、ネパールやミャンマーなど南アジア・東南アジアからの留学生も急増している。この背景には、日本の少子高齢化による労働力不足と、留学生を積極的に受け入れる政策がある。
留学生の増加に伴い、支援サービスの形態も変わってきた。かつては出願手続きの代行が中心だったが、今では渡日前の日本語学習サポート、現地での住居手配、アルバイト紹介、卒業後の就職支援までを一貫して提供するサービスが増えている。こうした変化は、単に「学校に入る」ことから「日本で生活し、キャリアを築く」ことへと、留学の目的が広がっていることを反映している。
しかし、サービスが充実したぶん、料金体系やサポート範囲は業者によって大きく異なる。あるサービスでは語学学校の申請手数料が無料でも、別のサービスでは数万円かかることもある。研究計画書の添削回数が1回のみのところもあれば、納得いくまで何度でも対応するというところもある。この差を理解せずに契約すると、期待していたサポートが受けられず、留学計画そのものに支障をきたすことになりかねない。
留学段階別に見るサービス選びのポイント
留学のどの段階にいるかによって、必要なサービスは変わる。大きく分けると、日本語学校への入学、大学・専門学校への進学、大学院研究生(予科)への申請という3つの段階がある。
日本語学校の申請では、何より重要なのは「在留資格認定証明書」の取得、つまりビザ申請の成否だ。この段階での支援サービスは、学校選びから入学許可の取得、そして出入国在留管理庁への書類提出までをカバーする。あるサービスでは、これまでに千人以上の申請をサポートし、在留資格の取得に失敗したケースがないという実績を公開している。こうした実績は、提出書類のチェック体制や、過去の審査傾向を踏まえたアドバイスがしっかりしていることの証左といえる。
料金面では、日本語学校の申請手数料を無料としているサービスと、数万円の手数料を設定しているサービスがある。無料のケースでは、サービス側が提携校からの紹介手数料で収益を得ているため、申請者自身の負担がゼロになる仕組みだ。ただし、提携校の数や質には差があるため、自分の希望する地域や学校が提携先に含まれているかどうかは必ず確認したい。
大学・専門学校への進学では、日本留学試験(EJU)の対策と出願書類の準備が中心になる。2026年度のEJUは第1回が6月21日、第2回が11月8日に実施される。受験料は国内で1科目のみ12,000円、2科目以上で23,000円(税込)だ。2026年度からは「理科」「総合科目」「数学」のシラバスが改訂されているため、最新の出題範囲に対応した対策が欠かせない。進学支援サービスでは、過去問の分析や志望理由書の添削、面接練習などを提供しているところが多い。
大学院研究生の申請では、研究計画書の質が合否を大きく左右する。指導教員とのマッチングや、専門分野に応じた研究計画書の作成支援がサービスの核となる。複数の添削者によるレビュー体制をとっているサービスや、希望する研究室の過去の受け入れ実績を踏まえた戦略的なアドバイスを提供しているサービスもある。この段階では、申請が不成功だった場合の返金制度があるかどうかも重要な判断材料になる。
留学支援サービスの比較表
| 支援段階 | サービス内容例 | 費用の目安 | 主なメリット | 注意点 |
|---|
| 日本語学校申請 | 学校選定・入学手続き・在留資格申請 | 無料~数万円 | ビザ取得の専門知識、提携校多数 | 提携校の質と数に差あり |
| 大学・専門学校進学 | EJU対策・出願書類作成・面接練習 | 10万円~30万円程度 | 試験対策と出願の一貫サポート | シラバス改訂への対応確認が必要 |
| 大学院研究生申請 | 研究計画書作成・教員との連絡・面接対策 | 20万円~50万円程度 | 専門分野に応じた個別指導 | 不成功時の返金条件を要確認 |
| 就職支援 | 企業紹介・エントリーシート添削・面接対策 | 10万円~20万円程度 | 留学生向け求人情報の提供 | 業種や地域の偏りに注意 |
地域による暮らしやすさと費用の違い
留学先の都市選びは、生活費と学習環境のバランスで決まる。東京圏では家賃が月5万円から8万円程度かかるのに対し、大阪や福岡などの地方都市では3万円から5万円程度で済むケースが多い。留学生向けの学生寮や学校提携の寮を利用できれば、さらに費用を抑えられる。ただし、こうした寮は競争率が高く、入学の半年以上前から申し込みが必要なこともある。
生活費を抑える手段として、アルバイトは現実的な選択肢だ。留学生は資格外活動許可を取得すれば、週28時間まで働くことができる。東京の飲食店やコンビニでは時給1,100円から1,500円程度が一般的で、月に5万円から10万円程度の収入を得ている留学生は少なくない。日本語力が高いほど時給の良い仕事に就ける傾向があるため、渡日後の日本語学習を継続することは経済的にも意味がある。
国民健康保険への加入は必須で、医療費の70%が保険でカバーされる。年間の保険料は所得によって異なるが、学生の場合は比較的低額に抑えられることが多い。予期せぬ病気やケガに備えて、渡日後すぐに市区町村の窓口で手続きを済ませておきたい。
自分に合ったサービスを選ぶための実践的ステップ
留学サービスを選ぶとき、最初にすべきことは自分の留学目的を明確にすることだ。日本語を学びたいのか、学位を取得したいのか、それとも日本での就職を目指しているのか。目的が違えば、必要なサポートも変わる。語学学校に通うだけなら、申請手数料が無料で、ビザ取得実績がしっかりしているサービスで十分かもしれない。一方、博士課程への進学を考えているなら、自分の専門分野に詳しい担当者がいるサービスを探す必要がある。
次に、複数のサービスを比較することをおすすめする。問い合わせへの対応速度や、担当者の説明のわかりやすさ、過去の利用者の声など、公式サイトだけではわからない部分を確かめるには、実際に話をしてみるのが早い。無料のカウンセリングを実施しているサービスも多いので、気軽に活用したい。
最後に、契約前には必ず利用規約を読み、特にキャンセル条件や返金規定を確認すること。留学計画は予定通りに進まないこともある。渡航時期の延期や進路変更が生じたときに、柔軟に対応してくれるサービスかどうかは、想像以上に大切なポイントだ。
2025年度に留学生が40万人を超えた日本は、受け入れ体制の整備を加速させている。同時に、留学生を支援するサービスもより多様に、より専門的になっている。情報を集め、比較し、自分の目的に合ったサービスを選ぶこと。その積み重ねが、日本での留学生活を充実したものにするための、何より確かな一歩になる。